困難乗り越え、「但馬とらふぐ」試験販売へ

「但馬とらふぐ」試験販売へ向け、試食会が開催

朝来市和田山町の竹内幼稚園跡等を活用し、閉鎖循環式の陸上養殖で育った「但馬とらふぐ」の試験販売が開始。

試験販売に伴い、市内の飲食店「竹田町屋 寺子屋」にて朝来市長をはじめとした、城崎温泉や湯村温泉など「但馬とらふぐ」に心を寄せる旅館等の計7名が集まり試食会が開催されました。

「但馬とらふぐ」は兵庫県で初めて陸上養殖で育てられたトラフグで、養殖のため通年出荷が可能なことが大きなポイント。室温をコントロールできるため、トラフグの養殖条件にあった環境が整えられるとのことです。

試食会では3日前まで水槽で泳いでいた新鮮な「但馬とらふぐ」を使用し、「てっさ」「てっちり」「但馬とらふぐの唐揚げ」と3品が提供されました。

地元醤油蔵(株式会社こむらさき醸造)ともコラボレーションした「とらふぐポン酢」なども併せて提供され、朝来市の食材が堪能できる内容でした。

朝来市長の藤岡勇氏は「しっかりとした歯応えで、ふぐ特有の歯応えが存分に感じられる。こむらさき醸造のポン酢とも非常に相性が良く、美味しい。朝来市の新しいブランド品として定着するよう期待している。現在は出荷数が不安定と聞くが、市としても安定供給を目指し、支援をしていきたい。」とコメント。

城崎温泉をはじめとした旅館関係者らは「歯応えがしっかりしており、山の中で育ったとは思えないクオリティ。天然のとらふぐと比べても遜色ない。ストーリーや養殖法としてもインパクトがあり、養殖が軌道に乗れば但馬のメイン食材になるポテンシャルを秘めている。」と話されました。

辛い経験乗り越え、スタートラインに立った「但馬とらふぐ」

「但馬とらふぐ」の陸上養殖を手がける中村峻さんは神戸市出身。関東で営業職に従事したのち、陸上養殖に可能性を感じて場所探しをしていたところ朝来市と出会います。朝来市の手厚い創業支援もあり、同市幼稚園跡地にて開業を決意。

しかし、「但馬とらふぐ」の養殖は容易ではありませんでした。水槽内のトラフグが全滅するなど出荷サイズに足るトラフグの養殖は困難を極めます。

中村さんは地道に水質環境の改善や餌の改良に取り組み、出荷サイズに成長したトラフグが現れたのは今年の初め。事業開始から2年かかってのことでした。トップクラスのトラフグは体長33cm程度、重量1kgにもなるそうで、10cm程度の稚魚を水槽内に放してから、1年程度で成長するそうです。

現在、比較的大きなトラフグが養殖されている水槽には300匹〜400匹ほどのトラフグが飼育されており、ゆくゆくは施設全体で考えれば、1kgサイズで最大4000匹ほどの出荷が可能になるとのこと。

「但馬とらふぐ」が試験販売されることに関して中村さんは

「正直、複雑な気持ちはあります。ほっとしたでしょうと聞かれることもありますが、やっとスタートラインに立てたという気持ちの方が強く、これから購入してくださる皆様のために頑張らなくてはならない。試行錯誤を重ねてより良いものを作っていかないといけないという気持ちです。」

とコメント。

今後についてお聞きすると

「今後の展望としては、安定出荷を目指し、まずは但馬地域の飲食店さんに使っていただきたいです。養殖のトラフグのいいところは通年出荷が可能な点。ゆくゆくは他地域での販売や、直営の飲食店、海外の輸出も視野に入れていきたいです。」

と壮大な夢を語っていただきました。

年内は50匹~100匹程度出荷の見込み。価格は非公開で応相談。

問い合わせ先

朝来食品 代表 中村峻(しゅん)

⚫︎竹内事業所 〒669−5235 兵庫県朝来市和田山町和田711番地

⚫︎寺内事業所 〒669−5232 兵庫県朝来市和田山町寺内123番地

TEL 090ー1716ー5013

E-mail nakamura-shun@asago-foods.com

 

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